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〔焦点〕低下する長期金利、国内銀が外債からシフト



〔焦点〕低下する長期金利、国内銀が外債からシフト


ロイター 7月14日(月)14時3分配信








[東京 14日 ロイター] - 日本国債の利回りが、量的質的金融緩和(QQE)のスタートした2013年4月ごろの水準に低下している。4─6月に欧州債などの外債投資を増やしてきたメガバンクなど国内銀が、7月に入って国債投資を増やしているためだ。日銀の貸出増加支援の資金供給もこうした傾向に拍車をかけている。ただ、米金利反転上昇をにらみ、8月ごろには長期金利<JP10YTN=JBTC>が0.6%台に戻るとの観測もある。



<付利引き下げ時の水準まで低下>



最近の国債利回りの低下は「付利の引き下げを織り込んでいるかのような水準」(国内市場関係者)との声まで聞かれる。



前週の円債市場では、10年最長期国債利回り(長期金利)が2013年4月9日以来の低水準となる0.530%を付け、5年債利回り<JP5YTN=JBTC>が2013年4月5日以来の0.145%、2年債利回り<JP2YTN=JBTC>は2013年3月28日以来の0.055%と軒並み低下した。



いずれも日銀のQQE導入前後のレベルにあたる。麻生太郎財務相が11日午前の閣議後の会見で、「異常」と指摘した長期金利0.540%を同日午後にはあっさり下回った。



週明け14日は、さすがに高値警戒感が浮上したため、利益確定売りもみられたが、好需給が相場を下支えし、底堅い展開となった。



<国庫短期証券マイナス金利が拍車>



10日の3カ月物国庫短期証券(465回)<JP3MF=JBTC>入札前取引(WI)では、まさに「異常」とも受け取れるマイナス金利となった。



欧州中銀(ECB)によるマイナス金利導入で欧州金利が低下する中、日本の国庫短期証券に対する海外勢のニーズが強まったことに加え、日銀オペをにらんだ業者の在庫確保を目的としたショートカバーが勢いを増した。



この国庫短期証券の極端な需給の引き締まりが、ただでさえ金利に低下圧力がかかっていた円債市場の中短期ゾーンに強い影響を及ぼした。イールドカーブは手前から一気につぶれていった。



<押し目待ちに押し目なし>



「4─6月の相場の読みが外れた金融機関が多いのではないか」と、ある証券会社の債券ストラテジストが指摘する。



出口に向け10年米国債利回り<US10YT=RR>が上昇すれば、円債金利にも上昇圧力がかかる。4月には日銀の強気の物価シナリオに沿えば、少なくとも利回りの低下余地は限られるとの見方が多かった。



追加緩和期待が後退する中、一部の市場関係者からは「日本版テーパリング(量的緩和縮小)」を警戒する声も出ていたほどだ。



ところが4─6月の金利はこう着する。まさに「押し目待ちに押し目なし」という状況に投資家は追い込まれた。



<期間収益の達成が難しい>



このままでは、年度当初に計画した円債運用による期間収益の達成が難しくなると判断した投資家は、7─9月の期初にあたる7月入り後、円債への投資意欲を高めたようだ。



背景には、欧州債を中心にした外債投資の比重拡大が、4─6月期の間に限界に達したこともあったとみられる。ECBのマイナス金利導入で、欧州金利が急低下し、欧州債投資の魅力が薄れ、それが円債への回帰を促した面もあったとの指摘もある。ある邦銀関係者は「(7月に入り)ポートフォリオのバランスをやや調整した」と認める。



その結果、4─6月に0.6%近辺にあった長期金利の水準から「投資家目線」が明らかに下がり、「オフザラン(既発債)銘柄がすでに0.5%を割るなど、カレント物でも0.5%が抵抗ラインにならない可能性すら出てきた」(国内金融機関)との声が出ている。



銀行の円債運用について、みずほ証券・シニア債券ストラテジストの早乙女輝美氏は「預貸ギャップの縮小が早期に見込みにくく、円債を含め債券運用から手を引きづらい状況になっている」と指摘する。



<あふれ出す余剰マネー>



日銀の貸出増加支援の資金供給も、短期金利低下に効いている。この資金供給により都銀など金融機関からあふれ出した余剰マネーは、まず中短期ゾーンに流れ込み、強い金利低下圧力を加える。



ここに日銀の国債買い入れオペが強烈な存在感を示す。「日銀オペで利益を確定すれば、金利の低下は問題ない。リスクは皆無に等しい」と投資家の多くが判断したもようだ。11日の日銀オペでもこの動きが見受けられた。



中短期ゾーンで利益を確定した資金は、少しでも高い利回りが確保できる長期ゾーンへシフトすることになる。日銀オペで当面、オファー額の減額がない10年以下のゾーンで需給が強烈に引き締まる構造がここにある。



<金利低下限界説も>



強気の見方がある一方で、SMBC日興証券・チーフ金利ストラテジストの森田長太郎氏は「米金利反転上昇の可能性をにらみ、円債の長期金利は8月ごろにかけて調整されることで0.6%台へのバックがあり得る」と予想する。



東京市場のFEDウオッチャーの中には、連邦準備理事会(FRB)が景気モメンタムの強さを背景に、市場の利上げ開始時期をもう少し手前に誘導する可能性が十分にあるとみている。



このシナリオに立てば、すでに割安感が全くなくなっている円債金利にも一定の上昇圧力が加わる──との読みのようだ。外債から円債回帰の流れも短期的な動きにとどまり、大きなトレンドになることはないと指摘する。



ただ、このシナリオも、FRBが4兆ドルの買い入れ資産の圧縮時期を先送りするとの思惑が優勢になれば、実現可能性がおぼつかなくなる。



物価上昇率が円安効果のはく落でも1%を割り込まない展開になったとしても、当面は需給相場の色彩から、長期金利に低下圧力がかかりやすくなるとの見方が、市場で多数を占めつつあるようだ。



(伊藤武文 編集:田巻一彦)










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